
Africa Hit Music TVやMooziko、Afrik.comといったサイトに蓄積されている音源(プロモ映像を含む)は、ズークやマコッサからアフロ・ヒップホップやアフロ・レゲエまで、様々にカテゴライズされている。
その中から、僕の心をわしづかみにした最新のアフリカン・ポップ・ミュージック“COUPER DECALER”シーンを紹介したい。とは言っても、僕自身COUPER DECALERっていう音楽の存在を知ったのはついさっきなので、さっぱりわかっていない。むしろ教えてほしいぐらいだ。
という訳で以下、少なからず「予想」を含みます。
ブルキナファソに在住していた日本人女性のウェブサイト「COCCINELLE」内の音楽情報ページによると、COUPER DECALER(=クペ・デカレ)とは、もともと「切る、ずらす」という意味で、「イマドキ粋な人のようなニュアンス」で使われる最近の流行語らしい。そこに書かれているように、音楽のジャンルとしての「クペ・デカレ」の発信地はコートジボアールに違いない!
そんなお洒落な名を冠する「クペ・デカレ」サウンドは、上記のAfrica Hit Music TVなどのサイトで視聴できる他、アフリカ音楽通販サイトPAN AFRICAN ALLSTARS(アメリカ)では、『The Best Of Couper Decaler』というCDから何曲かのさわりを試聴可能だ(ちなみにこのサイトでは、クペ・デカレ関連CDのデータがIvory Coast《コートジボアールの英語表記》というディレクトリにある)。
音色としてあまり練られていない(ように思える)シンセサイザーのアタック音やギターのリフから成るバックトラックは、リンガラ他アフリカン・ポップでおなじみのリズムだ。重なりあうコーラス、掛け声。クペ・デカレは、確かにアフリカン・ポップ・ミュージックを踏襲しているように思える。
主役のボーカリスト(達)は自由に歌い、喋くり、叫び、時にはうなる。その弾けっぷりがクペ・デカレの魅力だ。
クペ・デカレのアーティストには、DJ Arafat、DJ Jacobのように“DJ”と名につく者が多いが、これはヒップホップのDJやクラブDJではなく、ダンスホール・レゲエで言う“DJ”(ヒップホップでいうMC)の存在に等しい。実際トースティングに近いスタイルも見られるし、確かにクペ・デカレは、最新アフリカン・ポップだけに、ヒップホップやレゲエの影響下にあるのだろう。しかしそれらの型にとらわれることなく、あくまでも独自路線のアフリカ流儀で旋律をトラックに載せていくのがクペ・デカレのスタイルだ。
味つけとしては、時々スクラッチが挿入されたり、ボーカルにボコーダのようなエフェクトがかかる。それがいっそうチープで独特な味わいを深め、ボーカリストの自由さやスピード感を際立たせる。ポンチャック!?
先に書いた「クペ・デカレはお洒落な意味だ」ということに反してしまうが、この緩さと緊張感、欧米的な意味でのスタイリッシュとかぶらない(重ならない)奔放さ、ビート感こそが、このアフリカン・ポップの魅力かもしれない。いやインターネットはたいしたものでクペ・デカレDJたちのプロモビデオも見ることができたのだが、最新のお洒落アフリカンたちは、おそらく欧米的スタイリッシュを意識しているし、一見それをモノにし、まとってはいる。しかし彼らの中に潜在的に身についている奔放さやビート感そして伊達っぷりは、欧米的スタイリッシュや、僕達が暗黙のうちにアフリカに対して課す「アフリカらしさ」からもこぼれ落ち、まったく別なところにある。つまり、彼らは確かにお洒落なのだが独特なのだ。まさにそこに、クペ・デカレ(=切る、ずらす)の魅力がある。
僕のお気に入りは、DJ ArafatにDJ Mattieu‥‥いや、Africa Hit Music TVのオーディオ・アーカイブで聞けるクペ・デカレは全部いい。その他、PAN AFRICAN ALLSTARSのコートジボアールのところでも試聴ができるし、Moozikoの「クペ・デカレ」コーナーではPVが見られる。
しかし問題は、気に入った曲やアーティストの音源が欲しくなってしまったら……。Africa Hit Music TVで聞いたAfrikareprezanta DJというアーティストは、「CD欲しい!」と思っているのだが、Googleはもちろん、フランスのアマゾン(アフリカ音楽の本場は現地アフリカではなくフランスらしい)や、アフリカ音楽系サイトを検索してもさっぱり見つからない。
BGM:「アフリカの女」 by オースマン・サンコン(嘘)
追記:関連サイト
RADIO JAM
→コートジボアール最大の都市アビジャンにあるFM局。WMPでライブ・ストリーミングを聞ける。ちょっとしか聞いてないが、正直そんな良くなかった。そもそもコートジボアールって、アフリカの中でそんなに音楽的インパクトのある国ではないのではないか、とかふと思ってしまった。
L’Afrique Hit Parade
→YoungAfrican.comの音楽フォーラムから、「アフリカ・ヒット・パレード」と題されたトピック。英語で嬉しい。「アフリカ音楽を回してるんだけど、クペ・デカレをかけるとすげー盛り上がるんだよね、フロアが」という投稿で始まる、非常に気になる一連の流れをじっくり読んでいきたいと思っています。んで、その一発目のポスト(04年7月)で紹介されていたサイトがここ→Zouk Station。アフロ・ポップを中心に15のチャンネルで放送中のネットラジオ。お薦めのAfrostationは8ch。あげあげ。Live365.comだと曲名がわかって良い。
※写真はDJ Arafatさん。今年の7月、Kayshaさんによるプロジェクト「Grand Maquis」のレコーディングの際のショット。を、Kayshaさんのブログの記事から拝借(→African Bohemian)。「DJ Arafat : On va sauter」は2曲目。その他、収録曲はここで見て。試聴可。
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http://www.radiojam.ci/
> ちょっとしか聞いてないが、正直そんな良くなかった
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嘘。素敵なクペ・デカレ系サウンドなど、ガンガンかかってます。