B級のようで、緻密な作り込み。ありえない設定を、CGや火薬でごまかしながら押し付けるのではなく、丁寧な世界観で引き込んでいく。全編に通じるザラついた空気が良い。
サントラでは、ヒップホップが記号的なポップミュージックじゃなくて、有機的に響く。
もっさりとした風貌で知的な殺し屋が当たり前のようにこなす完璧な仕事。武士道や屋上の小屋や伝書鳩やアイスクリーム屋や老いぼれたマフィア集団や、アナクロでアナログな怪しいアイテムに、これまた怪しいビートとラップが染み込んでいく。
B級映画に通じるものを感じたのは、それらのアイテムが単なるエキセントリックな存在としてあるのではなく、観客を楽しませようという作り手の素直な気持ちの表われだからかも。
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