2006年04月04日

超級女声 2006

中華エンタメ最前線:「ネット発」の音楽が大ヒット

中国情報局サーチナより4月2日付けのコラム。冒頭に書かれている「前回」の記事を探してみたが、どうやら昨年10月1日の「ネットアイドルブレイクの秘訣を探る」らしい。ちょうど半年前か。

「ネットアイドル」というのもよくよく考えてみると不思議な言葉だが、このコラムで言われている「ネットアイドル」「ネット発」というのは、“もともとそれほど有名ではなかった歌手や歌が、まずネットで話題になり、その後大ヒットに発展していく”ということのようだ。

supergirl2005.jpg最後に触れられている『超級女声』は、昨年の中国で大ヒットとなったテレビ番組。内容は素人参加のオーディションなのだが、中国だけにスケールも大きく、視聴者は最大で4億人に達したという。

このヒットの背景には、中国中央テレビ(CCTV)が全国放送を独占していた従来の状況からの脱却がある。1990年代後半の衛星の普及により、地方テレビ局が全国発信できるようになったのだ。これにより全国的に知られる地方メディアが登場してきた。例えばNHK-BSにも番組を提供している香港のフェニックスは、時事番組や自由な論調で特に都市部での支持が高い。『超級女声』は、中国南部湖南省の「湖南衛星放送」の番組だ。この局は、CCTVには思いもつかないような斬新な娯楽番組で人気がある(『宮廷女官チャングムの誓い』の放映権をCCTVと争った末に勝ち取り、中国で社会現象になるほどのブームを作ったのもこの局→中国の『チャングム』ブームが日増しに拡大 from 朝鮮日報 2005/10/24、一日本人が中国で観る韓国ドラマ from 北京五彩繽紛〜Colors of Beijing 2005/09/15、大今長 from 湖南衛星テレビ)。

番組が進むにつれて視聴者の熱は高まり、ここでも「ネット」は視聴者をつなぐ役割を果たしたようだ。特定の候補者を応援するコミュニティが形成されて運動を展開する様子を“中国全土における民主選挙の模擬練習”と例えた人もいたとか。また、スポンサーの蒙牛乳業の立ち回りは、「中国で最も成功したマーケティング事例」と言われている(番組ロゴの上には、蒙牛と商品名「酸酸乳」がバッチリ入っている。上のバナーでおねえさんがにこやかに飲んでいるのがそれ。画像クリックで拡大します)。このような中国全土を巻き込む大きなうねりが、北京や上海などの大都会ではなく湖南省を発信源としているのも興味深い。

ただし、いまだに政府によるメディアの管理が強い中国で大ヒットとなった『超級女声』は、その先進性や影響力の大きさから当局の厳しいチェックを受けることになる。

冒頭のコラムでも触れられていたオーディション番組出場者の年齢制限もそのひとつで、昨年の『超級女声』には中国全土より6歳から89歳までの15万人が応募したというが、今後は18歳未満は出場できない。中国版のモーニング娘。を結成しても、平均年齢は日本より高くなりそうだ。

当局にとって『超級女声』のもっともまずい点は、視聴者が携帯電話を使って候補者に投票できるという“民主的”な手法がとられていたことにあるようだ。同じことを政治家に対してやられてはたまらない、ということだろうか。

hunantv.jpg2006年版『超級女声』は、1月の時点でまだ放送許可が出ていなかったようだが、今放送局のサイトを見たら、「2006年超級女声参加者募集!」の(ような)記事が出たので(→Infoseek翻訳)、当局としても勢いに逆らうことはできず、年齢規則のような制限でガードした上での認可というところだろうか。今年も盛り上がりそうだ。

2006超級女声(中国湖南衛星テレビ)
昨年2005年のサイトはこっち
 →「超級女声」、今年も正式開催へ(大富 2006/03/27)


[参考サイト]
中国の“改革派”放送メディア 〜湖南ラジオ映画テレビ集団の取組み〜(NHK放送文化研究所「放送研究と調査」2006/03:主任研究員山田賢一氏)
中国の夏を独り占めした人気番組『超級女声』の舞台裏(日経Biz-Plus「動感中国在線」 2005/09/22:徐向東氏)


→see also...

社会現象オーディション『超級女声』:優勝は李宇春さん(中国情報局 2005/08/27)
大人気テレビ番組「超級女声」携帯電話による投票で優勝決定 (聖教新聞学芸部 2005/09/27)
“超級女声”に国を挙げての大騒ぎ(大富 2005/10/15)
中国大陸で超人気の"スーパー女声"が日本上陸へ(中国芸能ニュース 2005/11/24)
4億人を熱狂させた 視聴者参加番組(人民中国 2006/01)


ヒットを生む秘訣は『天の時、地の利、人の和(上記の徐向東氏によるコラムの次の回 2005/10/26)
湖南広播影視、10年で100億元の収入を計画 (中国情報局 2001/07/10)


恥知らずの湖南衛星放送(中国の掲示板 2005/10/11)
【中国でテレビを見る】 「月9」のようなドラマはない!(NIKKEI NET:中国ビジネス特集 2006/03/06)
中国のテレビ局体系(マルチメディア/インターネット事典)


posted by 犬TV at 23:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 放送 - アジア
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