2006年04月20日

TVチャンピオン「ゆるキャラ日本一決定戦」

TVチャンピオン
「ゆるキャラ日本一決定戦」

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個人的に、テレビ番組としては近年まれに見る良作。

クイズや相撲でゆるキャラの一番を決めることは重要ではない。番組の性格上キャラ同士を戦わせるのはしょうがない。それは理解できる。しかしあの番組が素晴らしかったのは、全国に散らばったゆるキャラを一同に介して映像に収め、それを放送したところにこそある。あくまでもあれはゆるキャラ祭りであり、たまたまTVチャンピオンという番組のフォーマットを利用したに過ぎない。

ゆるキャラのどこに魅力を感じるかは人それぞれだろう。僕はゆるキャラを見るたびに、地方の役所や団体が予算を使ってキャラを作り上げていく過程を妄想する。言いだしっぺはどんな人で、どんな会議が行われ、どんな人がデザインしたのか。昨今のブームで着ぐるみメーカーの営業マンも忙しいだろう……など。

検索してもわからなかったのだが、どこかの役所が制作した、ご当地キャラの着ぐるみを貸し出す際の利用規約を以前ネットで見たことがある。記憶ははっきりしないものの「人目に触れるところで頭部を脱ぐなど、中に人が入っていることがわかるような行為は禁止」みたいな条項があったのを覚えている。

全国のゆるキャラが立ち並ぶ絵ヅラはそれだけでおかしい。特に番組の前半は夢のようなひとときだった。だが、ゆるキャラはあらかじめ「ゆるキャラ」として笑われることを目的に生まれたわけではない。地元での日常業務を離れて各地に散らばった同類たちと集うとき、彼らには「ゆるキャラ」として新たな価値が与えられ、まばゆいばかりの輝きを放つ。

キャラクターというとミッキーやピカチュウやドラなんかの大御所もいるが、ヤツらはしょせん金儲けの道具に過ぎない。地方の過疎化だ、いや地方の時代だというお題目とはかけ離れた世界に、ゆるキャラたちは生きている。東京発のお洒落な文化には決してマネできない魅力。独特の造形をした彼らは、異界からやってきたようにも思える。だが彼らを生み出したのは、現代の日本社会に他ならない。

同時多発的に生まれ各地に生息するキャラクターたちの存在に気づき、「ゆるキャラ」という明快な言葉を与えることで彼らに新たな価値を見出したみうらじゅん氏の目利きとしての才能は鳥肌ものだ。なお、「ゆるキャラ」は、昨年ニューヨークのジャパン・ソサエティで行われた村上隆氏による「リトルボーイ」展で紹介されている。

広報活動という使命を負ったゆるキャラたちと彼らを支えるプロジェクトチームにとっては、今回の番組はまさに晴れ舞台。誤解を承知で例えれば、妖怪が成仏する瞬間に立ち会ってしまったような不思議なさわやかさが余韻に残る番組だった。
posted by 犬TV at 22:07 | Comment(3) | TrackBack(1) | 観る
この記事へのコメント
みうらじゅんの正しい自由研究 - livedoor Wiki
http://wiki.livedoor.jp/livedoormiura1/d/
Posted by inuTv at 2006年04月23日 04:26
トラックバックさせていただきありがとうございます。
もう完全に宣伝なんですが、「ゆるキャラ人気投票」を私のブログでやっていますので、お暇がありましたら遊びに来てやってください。
Posted by アレク at 2006年04月29日 23:08
> アレクさま
さっそく一票入れてきました。
Posted by 犬TV at 2006年04月29日 23:39
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Tracked: 2006-04-25 22:04
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