2006年07月29日
2006年05月29日
グーチョコランタン
実存するものの全ては存在しうるものの小さな一部にすぎない。
「非存在の実在証明」ペレ・アルベルク(『秘密の動物誌』ジョアン・フォンクベルタ より)

「おかあさんといっしょ」にとうじょうするスプーは、みんなのにんきもの。ぼくもだいすきさ!

いつもげんきでかわいいはいだしょうこおねえさん。たからづかしゅっしんなんだって。てんねんきゃらがもえるよね。いま、ぶろぐにおねえさんのなまえをかくと、あくせすがあがるらしいよ!

みんなのかんしんはこれ。「スプーのえかきうた」で、おねえさんがスプーをかいたら……

こうなった。うえのほうに、もうしわけなさそうに「スプー」ってかいてあるけど、どうみてもこれはぼくのだいすきなスプーじゃない! こわいよー。
→スプーのえかきうた@ゆーちゅーぶ
しかしこれはまだ、はじまりにすぎなかったのだ!
しょうこおねえさんによってげんじつせかいにつれだされた「スプーみたいななにか」は、ゆーちゅーぶをつうじてじんるいにきょうゆうされ、ふくせいされ、ついにはパソコンのがめんをとびだした!

Spoodrome (final) by dokkoi

スプー、襲来 [SPOO ATTACK] by netaman

スプー彗星 comet of Spoo by wo60000
2006年5月23日。NASDAの観 測衛星「ぬるぽ」が捉えた、地球に迫る彗星の映像 。この通信を最後に、ぬるぽとの交信は途絶された。

破壊神スプー saitama city under attack by spoo by wo60000
25日の夜、さいたまに� ��ちた彗星から現れた� ��の怪獣です。携帯カメラでの撮影の為、画質が悪くてスミマセン。私は寸でのところで生き延びましたが、この怪獣の攻撃によりメトロポリスとまで謳 われたさいたまの街は 、この地上から完全に 消滅してしまったようです。ありがとうさいたま、さようならさいたま・ ・・
そして、やふーおーくしょんにこんなものがしゅっぴんされたよ!

【描く前から】例の化け物【半笑い】 by ProportionDesign
今や複製されるものだけが現実なのです。複製されればされるほど、それはより現実的なものになってゆくのです。そこで、このような変化のなかで消滅を語るとすれば、その消滅とは、抑圧されて複製不能になること、複製の欠如、複製へのアクセスの欠如なのです。
「われわれ人間はなぜかくもテクノロジーを愛するのか」ジャック・ゴールドシュタイン
(『シミュレーショニズム』椹木野衣 から再引用)
関連あるかもリンク:
→現代美術家 村上隆が訴訟提起した著作権侵害事件の和解による終了について(カイカイキキ)
→ブッチュくん(はてな)
「非存在の実在証明」ペレ・アルベルク(『秘密の動物誌』ジョアン・フォンクベルタ より)

「おかあさんといっしょ」にとうじょうするスプーは、みんなのにんきもの。ぼくもだいすきさ!

いつもげんきでかわいいはいだしょうこおねえさん。たからづかしゅっしんなんだって。てんねんきゃらがもえるよね。いま、ぶろぐにおねえさんのなまえをかくと、あくせすがあがるらしいよ!

みんなのかんしんはこれ。「スプーのえかきうた」で、おねえさんがスプーをかいたら……

こうなった。うえのほうに、もうしわけなさそうに「スプー」ってかいてあるけど、どうみてもこれはぼくのだいすきなスプーじゃない! こわいよー。
→スプーのえかきうた@ゆーちゅーぶ
しかしこれはまだ、はじまりにすぎなかったのだ!
しょうこおねえさんによってげんじつせかいにつれだされた「スプーみたいななにか」は、ゆーちゅーぶをつうじてじんるいにきょうゆうされ、ふくせいされ、ついにはパソコンのがめんをとびだした!

Spoodrome (final) by dokkoi

スプー、襲来 [SPOO ATTACK] by netaman

スプー彗星 comet of Spoo by wo60000
2006年5月23日。NASDAの観 測衛星「ぬるぽ」が捉えた、地球に迫る彗星の映像 。この通信を最後に、ぬるぽとの交信は途絶された。

破壊神スプー saitama city under attack by spoo by wo60000
25日の夜、さいたまに� ��ちた彗星から現れた� ��の怪獣です。携帯カメラでの撮影の為、画質が悪くてスミマセン。私は寸でのところで生き延びましたが、この怪獣の攻撃によりメトロポリスとまで謳 われたさいたまの街は 、この地上から完全に 消滅してしまったようです。ありがとうさいたま、さようならさいたま・ ・・
そして、やふーおーくしょんにこんなものがしゅっぴんされたよ!

【描く前から】例の化け物【半笑い】 by ProportionDesign
今や複製されるものだけが現実なのです。複製されればされるほど、それはより現実的なものになってゆくのです。そこで、このような変化のなかで消滅を語るとすれば、その消滅とは、抑圧されて複製不能になること、複製の欠如、複製へのアクセスの欠如なのです。
「われわれ人間はなぜかくもテクノロジーを愛するのか」ジャック・ゴールドシュタイン
(『シミュレーショニズム』椹木野衣 から再引用)
関連あるかもリンク:
→現代美術家 村上隆が訴訟提起した著作権侵害事件の和解による終了について(カイカイキキ)
→ブッチュくん(はてな)
2006年04月20日
無認可版ディズニーDVD「バンビ」のパッケージより

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この作品は、1941年にディズニーによって製作されたアニメーション映画ですが、日本においては著作権保護期間を終了し、パブリック・ドメイン(社会全体の公共財産)になっています。そこで今回、映像や音楽は昔のまま、弊社で新たに翻訳・吹込み等を行い日本語吹替え版を製作したものです。
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続きを読む
2006年04月19日
叫び
以下、音楽配信メモの“「CD売上回復!」というストーリーを作りたいレコード会社たち”(2006/04/18)から引用。
……の前に、リンク先の文章の説明をしておこう。
「音楽ソフトの年間生産実績が7年ぶりにプラスに転じた」という報道について書かれているのだが、根拠になっている統計を見ると“数字のまやかし”だし、要は「音楽配信で音楽需要が大きくなって結果CDの売上も伸びた」ってことにしたい日本レコード協会の大本営発表でしかないんじゃない、という感じ。そして筆者・津田大介氏の怒りは、都合よく適当なことを言う協会に向かう。フォントはぶっとく、そしてでかく……。んな訳で、以下、引用。

約80%に縮小してあります(画像クリックで原寸に拡大)
原文をテキストでコピペすりゃいいのだが、見た瞬間「これは絵になる」と思ってスクリーンショット。Tシャツにしてもいいとすら思ったけど、あんまり着たくないなと思い直した。
……の前に、リンク先の文章の説明をしておこう。
「音楽ソフトの年間生産実績が7年ぶりにプラスに転じた」という報道について書かれているのだが、根拠になっている統計を見ると“数字のまやかし”だし、要は「音楽配信で音楽需要が大きくなって結果CDの売上も伸びた」ってことにしたい日本レコード協会の大本営発表でしかないんじゃない、という感じ。そして筆者・津田大介氏の怒りは、都合よく適当なことを言う協会に向かう。フォントはぶっとく、そしてでかく……。んな訳で、以下、引用。

約80%に縮小してあります(画像クリックで原寸に拡大)
原文をテキストでコピペすりゃいいのだが、見た瞬間「これは絵になる」と思ってスクリーンショット。Tシャツにしてもいいとすら思ったけど、あんまり着たくないなと思い直した。
2006年03月13日
言葉と進化
生命40億年はるかな旅(8)ヒトがサルと別れた日より
草原の生活の中で人類は、さらに洗練された歩き方を身につけていきました。 器用な手を持つロプストス猿人から、100万年ほど後のさらに進化した人類の化石が、ケニア北部の湖のほとりから発見されました。
この頃の人類は、現代人とほぼ同じ様な姿勢で歩いていたと考えられています。アファール猿人が現れてから200万年以上たって、やっと現代人の直立2足歩行が完成したのです。 そして、体をまっすぐに立てることによって、画期的な進化が起こっていました。
言葉を話すことが出来る喉の構造です。
まだ少し前かがみになって歩いていたアファール猿人の喉は、声帯で作った音を反響させる喉の奥の部分が狭くなっています。これでは様々な音を出せず言葉を話すことはできません。しかし、体をまっすぐに立てると、音を反響させる空間が広くなります。
言葉を話すことが出来る喉の構造は、体をまっすぐに立てることによってはじめて可能に なったのです。
http://cyber.tokaigakuen-u.ac.jp/cosmos/century/seimei5.htm
http://www1.fctv.ne.jp/~ken-yao/Zinrui.htm
草原の生活の中で人類は、さらに洗練された歩き方を身につけていきました。 器用な手を持つロプストス猿人から、100万年ほど後のさらに進化した人類の化石が、ケニア北部の湖のほとりから発見されました。
この頃の人類は、現代人とほぼ同じ様な姿勢で歩いていたと考えられています。アファール猿人が現れてから200万年以上たって、やっと現代人の直立2足歩行が完成したのです。 そして、体をまっすぐに立てることによって、画期的な進化が起こっていました。
言葉を話すことが出来る喉の構造です。
まだ少し前かがみになって歩いていたアファール猿人の喉は、声帯で作った音を反響させる喉の奥の部分が狭くなっています。これでは様々な音を出せず言葉を話すことはできません。しかし、体をまっすぐに立てると、音を反響させる空間が広くなります。
言葉を話すことが出来る喉の構造は、体をまっすぐに立てることによってはじめて可能に なったのです。
http://cyber.tokaigakuen-u.ac.jp/cosmos/century/seimei5.htm
http://www1.fctv.ne.jp/~ken-yao/Zinrui.htm
2006年02月25日
チャットログ
攻殻機動隊S.A.C. 2nd GIG 第15話 機械たちの時間 PAT.から、タチコマ達の議論。
(メンテ室にて)
不思議だぁ。この機体になってから天然オイルを使用したことないのに、なぜあいつだけが専用機としての地位を維持し続けているんだろう?
うーん。それに以前にまして僕達の個性の分化も激しくなってる気がするし。
ねぇプロトくん、なんでだと思う?
プロト:(作業しながら)さぁ、なんででしょうね。一応メインサーバを設けて固体情報との振り分けを許可するようプログラムしなおしたから……ですかね?
もう一人:お前ら、そろそろ大人しくしろよ。いつになっても作業が終わらんぞ。
(3体、電脳空間にログイン)
ここなら誰にも邪魔されずに話せるね。
うん、時間の流れも関係ないし。
話を戻したいんだけどさあ、ウィルスで発症したと思われる「個別の11人」はともかく、個別主義者ってどう思う? 個を強調する割には没個性的な人達だと思わないか?
確かにそうだね。ネット上での孤立や自我の存在証明を追及して、各自の差異に価値を求めているくせに、違う思想の人間を排斥しようとする行為においては、一様に団結しているわけでしょ?
そーなんだ。主体性があるようでない集団。個を求めんとするあまり、没個性に陥ってる人達だと思うんだ。
それって、ある意味僕達とは対極にある人達って気がする。
そうだね。僕らは並列化を義務付けられながら、なぜか一度は個を手に入れたわけだから。
そして今ではその差異を個性として尊重してもらったうえで、必要な情報のみを並列化すればいい。ん?
(新たに1体登場)じゃあさ、個別主義者が本当に個別であろうとするが故に、差異のない集団になっているんだとしたら……彼らの集合体としての意思を決定しているのは……誰なの?
「個別の11人」に関しては、その意思決定をしたのは、内調のゴーダってことかな。
でも、中国大使館を襲撃したテロリスト達は、ウィルスとかに関係なく台頭してきたインディビジュアリストって言われてんでしょ?
「笑い男事件」の時に大挙して現れた模倣者達こそがその起源と言っている社会学者もいるけどね。
だとすると、個別主義者達の意識の中には、ゴーダの思惑が介在する以前から、現在の状況に近いイメージが共有されていたってことになるのか。
国民の総意としての難民排除ってことね。
それを言うなら、難民だって「個別の11人」が台頭してくる以前からテロ行為は繰り返していたわけでしょ?
不思議だよね。誰かがコマンドを出してるわけじゃないのに、みんな自然と同じ方向を向き始めている。
あるいは、個人と集団以外の第三の意思決定の主体が、人間にはあるのかもしれない。
どういうこと?
(2体登場。持った本をかざし)例えば、遺伝子というミクロなレベルで主体のしんきゅうを見出そうとしたドーキンスと、きわめてマクロな地球規模の主体に思いを馳せたラヴロック……
(本をかざす)『地球生命圏』
両者はほぼ同時期に、相反する主体を題材にほぼ同じ結論に達しているといってもよい著書を残しているんだ。
これこれこれこれ。
どんなことが書かれてるの?
人間はもっとも暴利的な主体や意志を宿す最小単位で、自身より大きかったり小さかったりする、ある種のホロン型構造の存在について思考し言及する……みたいな。
つまり、個別主義者や難民もその行動を決定する因子は、自身よりミクロな、あるいは集団を超えたマクロなレベルに存在する、ということを言い当てているようなところがあるってことさ。
難しいなぁ。
簡単さ。人間がその存在を決定付ける以前には、存在していなかったネットのありようが、彼らの神経レベルでのネットと、今や地球を覆いつくさんとしている電子ネットワークの双方によって、自身の意思とは乖離した無意識を全体の総意としてゆるやかに形成しているってことだよ。
だろー?
つまり人間は、自分の肉体と精神とがすでに一致していないけど、そのことについては気づいていないってこと?
ありていに私見を述べればね。
ひえー! 肉体と精神は不可分だって結論に傾きかけてたのに、なんという真理の反転!
と、するなら、郷田ってそのゆるやかな流れを加速するための媒介を、意図的に作り出したってことになるのか。
(外から呼ぶ声)おーい!
(全員ログアウト)
(メンテしていた)終わったよ。そろそろ交代しろよな。
ごめんごめん。つい議論が白熱しちゃってさ。
議論の内容、並列化させてよ。
OK。
(ケーブル接続。身震い)びゆぅぅぅ。なるほど、そいつは興味深いな。
だろ?
だけど、僕も最近は自分の意識と体が一致していない気分になることがあるんだ。
どゆこと?
自分をはるか上空から見下ろしている自分がいるような感覚かなぁ。
あーそれ僕もある! 僕達の主体って、一体一体のボディに宿ってるの? それとも、集団としてのタチコマに共有されてるの?
そりゃあ、基本は並列化を前提としているわけだから、後者でしょ。
僕らにとっての神である少佐の意思も介在しているわけだからねぇ。
でも、天然オイルを禁止された今となっても、個性化の進行は止まらない。完全に均質化されたはずの僕らが、個を宿し、かつボディと情報との乖離を無意識下で体験しているってことは……
もしかして……!
もしかして……!
もしかして……!
ゴー……
まぁ待て。結論を性急に出してはいけない。それは、単に僕達にエージェント機能が追加されたことによる遊離感なんじゃないのか?
それもあるけど、肉体と精神以外の第三の主体がどこかにあるような気がしてならないんだ。
それってわかるよ。僕もさぁ、前にジガバチと戦ったときに(そのときの映像)死の恐怖を感じることなく、少佐の服としての役割を瞬時にこなすことができたんだ。あの時、僕の体はもう僕自身のものではないんだって、どこかで割り切ってたものがあったもん。
それは、バトーさんを助けたいと感じた時の、あのえもいわれぬ法悦感とは違ったの?
違うね。もっと即物的でプログラムチックな行動だった。
だとしたら、残念ながら君が感じた第三の主体は、人間のそれとは違うのかもしれないな。それにさ、僕らの共有情報をためているサーバがどこにあるかってことも、僕らは知らされてないわけじゃない? その存在が、第三の主体の正体なのかもしれない。
僕達にゴーストが宿ったと思ったのは錯覚だったのか。
でも、君が感じた第三の主体に関しては、もっと詳しく思考してみる必要があるかもね。その感覚、並列化させてよ!
へへへへ……いいよ。(接続。身震い)
http://www.ntv.co.jp/kokaku-s/
http://www.animax.co.jp/program/program.php3?naiyo=m_koukakukidoutai_2ndGIG
http://www.kyo-kan.net/oshii-ig/gits-sac2/15.html
(メンテ室にて)
不思議だぁ。この機体になってから天然オイルを使用したことないのに、なぜあいつだけが専用機としての地位を維持し続けているんだろう?
うーん。それに以前にまして僕達の個性の分化も激しくなってる気がするし。
ねぇプロトくん、なんでだと思う?
プロト:(作業しながら)さぁ、なんででしょうね。一応メインサーバを設けて固体情報との振り分けを許可するようプログラムしなおしたから……ですかね?
もう一人:お前ら、そろそろ大人しくしろよ。いつになっても作業が終わらんぞ。
(3体、電脳空間にログイン)
ここなら誰にも邪魔されずに話せるね。
うん、時間の流れも関係ないし。
話を戻したいんだけどさあ、ウィルスで発症したと思われる「個別の11人」はともかく、個別主義者ってどう思う? 個を強調する割には没個性的な人達だと思わないか?
確かにそうだね。ネット上での孤立や自我の存在証明を追及して、各自の差異に価値を求めているくせに、違う思想の人間を排斥しようとする行為においては、一様に団結しているわけでしょ?
そーなんだ。主体性があるようでない集団。個を求めんとするあまり、没個性に陥ってる人達だと思うんだ。
それって、ある意味僕達とは対極にある人達って気がする。
そうだね。僕らは並列化を義務付けられながら、なぜか一度は個を手に入れたわけだから。
そして今ではその差異を個性として尊重してもらったうえで、必要な情報のみを並列化すればいい。ん?
(新たに1体登場)じゃあさ、個別主義者が本当に個別であろうとするが故に、差異のない集団になっているんだとしたら……彼らの集合体としての意思を決定しているのは……誰なの?
「個別の11人」に関しては、その意思決定をしたのは、内調のゴーダってことかな。
でも、中国大使館を襲撃したテロリスト達は、ウィルスとかに関係なく台頭してきたインディビジュアリストって言われてんでしょ?
「笑い男事件」の時に大挙して現れた模倣者達こそがその起源と言っている社会学者もいるけどね。
だとすると、個別主義者達の意識の中には、ゴーダの思惑が介在する以前から、現在の状況に近いイメージが共有されていたってことになるのか。
国民の総意としての難民排除ってことね。
それを言うなら、難民だって「個別の11人」が台頭してくる以前からテロ行為は繰り返していたわけでしょ?
不思議だよね。誰かがコマンドを出してるわけじゃないのに、みんな自然と同じ方向を向き始めている。
あるいは、個人と集団以外の第三の意思決定の主体が、人間にはあるのかもしれない。
どういうこと?
(2体登場。持った本をかざし)例えば、遺伝子というミクロなレベルで主体のしんきゅうを見出そうとしたドーキンスと、きわめてマクロな地球規模の主体に思いを馳せたラヴロック……
(本をかざす)『地球生命圏』
両者はほぼ同時期に、相反する主体を題材にほぼ同じ結論に達しているといってもよい著書を残しているんだ。
これこれこれこれ。
どんなことが書かれてるの?
人間はもっとも暴利的な主体や意志を宿す最小単位で、自身より大きかったり小さかったりする、ある種のホロン型構造の存在について思考し言及する……みたいな。
つまり、個別主義者や難民もその行動を決定する因子は、自身よりミクロな、あるいは集団を超えたマクロなレベルに存在する、ということを言い当てているようなところがあるってことさ。
難しいなぁ。
簡単さ。人間がその存在を決定付ける以前には、存在していなかったネットのありようが、彼らの神経レベルでのネットと、今や地球を覆いつくさんとしている電子ネットワークの双方によって、自身の意思とは乖離した無意識を全体の総意としてゆるやかに形成しているってことだよ。
だろー?
つまり人間は、自分の肉体と精神とがすでに一致していないけど、そのことについては気づいていないってこと?
ありていに私見を述べればね。
ひえー! 肉体と精神は不可分だって結論に傾きかけてたのに、なんという真理の反転!
と、するなら、郷田ってそのゆるやかな流れを加速するための媒介を、意図的に作り出したってことになるのか。
(外から呼ぶ声)おーい!
(全員ログアウト)
(メンテしていた)終わったよ。そろそろ交代しろよな。
ごめんごめん。つい議論が白熱しちゃってさ。
議論の内容、並列化させてよ。
OK。
(ケーブル接続。身震い)びゆぅぅぅ。なるほど、そいつは興味深いな。
だろ?
だけど、僕も最近は自分の意識と体が一致していない気分になることがあるんだ。
どゆこと?
自分をはるか上空から見下ろしている自分がいるような感覚かなぁ。
あーそれ僕もある! 僕達の主体って、一体一体のボディに宿ってるの? それとも、集団としてのタチコマに共有されてるの?
そりゃあ、基本は並列化を前提としているわけだから、後者でしょ。
僕らにとっての神である少佐の意思も介在しているわけだからねぇ。
でも、天然オイルを禁止された今となっても、個性化の進行は止まらない。完全に均質化されたはずの僕らが、個を宿し、かつボディと情報との乖離を無意識下で体験しているってことは……
もしかして……!
もしかして……!
もしかして……!
ゴー……
まぁ待て。結論を性急に出してはいけない。それは、単に僕達にエージェント機能が追加されたことによる遊離感なんじゃないのか?
それもあるけど、肉体と精神以外の第三の主体がどこかにあるような気がしてならないんだ。
それってわかるよ。僕もさぁ、前にジガバチと戦ったときに(そのときの映像)死の恐怖を感じることなく、少佐の服としての役割を瞬時にこなすことができたんだ。あの時、僕の体はもう僕自身のものではないんだって、どこかで割り切ってたものがあったもん。
それは、バトーさんを助けたいと感じた時の、あのえもいわれぬ法悦感とは違ったの?
違うね。もっと即物的でプログラムチックな行動だった。
だとしたら、残念ながら君が感じた第三の主体は、人間のそれとは違うのかもしれないな。それにさ、僕らの共有情報をためているサーバがどこにあるかってことも、僕らは知らされてないわけじゃない? その存在が、第三の主体の正体なのかもしれない。
僕達にゴーストが宿ったと思ったのは錯覚だったのか。
でも、君が感じた第三の主体に関しては、もっと詳しく思考してみる必要があるかもね。その感覚、並列化させてよ!
へへへへ……いいよ。(接続。身震い)
http://www.ntv.co.jp/kokaku-s/
http://www.animax.co.jp/program/program.php3?naiyo=m_koukakukidoutai_2ndGIG
http://www.kyo-kan.net/oshii-ig/gits-sac2/15.html