infovlad.netの6月10日付けエントリによると、電話によるナンバーステーション(乱数放送)のような番号が発見された、とのこと。
謎の番号は、世界規模の地域情報掲示板Craigslist(→関連)のニューヨーク版に掲載され(現在は削除されている)、Spooks Newsletterという乱数放送のメーリングリストで報告された。
参考:The 212-796-0735 mystery(Homeland Stupidity 2006/05/31)
For mein fraulein
Mein Fraulein, I haven’t heard from you in a while. Won’t you call me?
212 //// 796 //// 0735
1-212-796-0735Mein Fraulein, I haven’t heard from you in a while. Won’t you call me?
212 //// 796 //// 0735
内容は約7分間。始まりと終わりには音楽がかかる。この乱数によって、誰が誰に何を伝えようとしているのか、もちろんそれはわからない。また、Craigslistのサンフランシスコ版とアトランタ版でも“For Mein Fraulein”で始まる同様のメッセージが見つかっている。
For Mein Fraulein
Mein Fraulein,
You must call me again soon.
///415///704///0402///
1-415-704-0402Mein Fraulein,
You must call me again soon.
///415///704///0402///
For Mein Fraulein
Mein Fraulein,
I hear the weather in the South is good this time of year. Won’t you call me?
///678///248///2352///
※このメッセージは6.10現在でも掲示されている→For Mein Fraulein(atlanta.craigslist.org)Mein Fraulein,
I hear the weather in the South is good this time of year. Won’t you call me?
///678///248///2352///
1-678-248-2352
乱数放送といえば北朝鮮が日本にいる工作員に向けて放送していたものが有名だが、北朝鮮の乱数放送は2000年に停止したといわれている。ただし日本での工作活動自体が終わったわけではなく、連絡手段が変わったとの見方が有力だ。
→北朝鮮乱数放送の代表 A−3放送が全廃(アジア放送研究会 2001/01/03)
→北朝鮮乱数放送(JO2OXL's Ham Radio and BCL Home Page)
インターネットや携帯電話網の発達した昨今でも、あいかわらず世界の国のいくつかは短波で乱数放送を飛ばしており、世界中の「ナンバーステーション」愛好家がその動向をチェックしている。乱数放送の存在を国家が公に認めなくても、電波が飛んでくる方向やその強さ、使われている言語や内容などから、どこの国の電波かが推測されるようだ。
→ナンバーステーション(ウィキペディア)
→Numbers Stations
※日本語による乱数放送の情報サイト。録音された音声ファイルもある。日本語の情報源としては、泉ホームページというサイトの掲示板がアツかったのだが、今見たらnot foundだった。
→Spy Numbers Stations on Shortwave Radio
→Numbers and Oddities
→enigma2000
→スパイご用達? 短波「乱数放送局」の謎(ホットワイアード 2004/11/15)
→乱数放送受信レポート(アジア放送研究会)
乱数放送の持つ、サウンドとしての不気味な魅力にひきつけられたのはラジオ・マニアだけではない。乱数放送に限らず、ラジオが発する様々な音を多くのミュージシャンが作品に使用してきたが、アメリカのオルタナ・カントリー系バンドWILCOが2002年に発表したアルバム"Yankee Hotel Foxtrot"(→Amazon.co.jp)では、乱数放送の音声が使用され奇妙な著作権訴訟問題を起こした。
→Wilco "Yankee Hotel Foxtrot"(「楽器」としてのラジオ)
(「楽器」としてのラジオ:関連ページ→Radio Sessions Gota + Largo Pantano)
Wilcoの作品では、イスラエルのモサドによるといわれる乱数放送のひとつ"YHF"の音が使われている。アルバム名の"Yankee Hotel Foxtrot"も、このコールサインをあらわしたものだ。
ただしこの音声は、Wilcoが受信したものではなかった。イギリスのIrdial-Discsがリリースした"The Conet Project: Recordings of Shortwave Numbers Stations"には、世界を飛び交う乱数放送の音声が4枚組のCDに村録されている。WilcoはこのCDの中から音を使ったため、Irdial-Discsから訴えられ、使用料を払うことで和解したのだった。
→録音したスパイ放送の著作権は誰のもの?(ホットワイアード 2004/06/23)
→The Conet Project: Recordings of Shortwave Numbers Stations(Amazon.co.jp)
→The Conet Project: Recordings of Shortwave Numbers Stations(関心空間)